左肘を上げていると肩が痛くなります

2019年10月22日

チェロを始めてすぐの超初心者の方たちからよく聞こえてくる声があります。

  • 左肘を高く上げ続けなければいけないので、チェロを弾くと肩が痛いです。腕のチカラがないからでしょうか。 
  • 弦を押さえる練習を始めて以来、肩が凝ってます。指のチカラがないからでしょうか。 
  • チェロを弾くと肩が痛いのは、五十肩の名残でしょうか。

これらの理由は、左の腕や肩が弱いからではありませんし、もちろん昔やった五十肩のせいでもありません。(笑)

ただ、楽器を弾いているときの姿勢が悪いからです。

だからこれはちょっと気をつけるだけで治ってきます。

そして左指がしっかり押さえられるようになるので、あなたのチェロの音もよりクッキリよく響くようになりますよ。

それでは、よくある悪い例と良い例を見ていきましょう。


よくある悪い例(横から見たところ)

上の写真は、よくある悪い例を横から見たところです。

・猫背で肩が丸まり、胸が閉じています。

・譜面台の上の楽譜を見ようとして、または弓が弦を擦っているところを見ようとして、あごを前に突き出しています。

・この姿勢では左肘を上げ続けることは本当は誰にもできません。なのに無理やり肘先を上げようとするので、肩が痛み、さらに手首が折れ曲がってしまっています。


よくある悪い例(前から見たところ)

こちらの写真は、よくある悪い例を前から見たところです。

・肩が上がってさらに内側に丸まって、それでも無理やり肘を上げようとして手首が折れ曲がってしまっています。

・弦を押す時に指のチカラだけに頼っています。弦を押す時、ネックを握るようにしています。特に人差し指と親指でネックを摘まむように握っています。左の親指にもチカラが入ってしまいカチカチです。

・手首が下がってしまっていることで左指が充分に開かないので、音程が悪いです。


よい例

こちらの写真は良い例です。

・肩を下げたまま胸を開きます。(肩甲骨の下側を寄せるつもり)

・肩がさがって肩甲骨を寄せるようにすると、肘は楽に上げ続けることができます。

・弦を押す動作には、背筋と腹筋のチカラを使います。指板の上の指と肘はその曲げ具合をキープしているだけです。左親指は弦を押さえるためには使っていない(ネックを握っていない)ので、親指を離しても指板の上の指は弦を押せます。 

 

ところで、この姿勢をとることでもうひとついいことが。。。

チェロを弾いているところを写真に撮ってもらったとき、姿勢がきれいなのでとってもステキな美人に写るんです! いいでしょ!