はじめて習う四分音符【その2】リニアモーターカー型と飛行機型:2つの異なる弓使い

2021年1月10日

今回は、「はじめて習う四分音符」の第2回です。(一回目はこちら>>

前回はくっきりとした音とはどんなものか、音のイメージを絵で見ていただきました。

今回は、くっきりとした音を出すときの弓の動き、右手のチカラの入れぐあいのイメージを絵で見ていただこうと思います。

今回の絵は、「飛行機の離着陸」と「走り出すと浮き上がるリニアモーターカー」です。

まずこちらは「着陸して、滑走路をしばらく走り、また離陸していく飛行機」です。

飛行機が「弓」、滑走路が「弦」だと思ってください。

「弦楽器は弓でこすって音を出す」というイメージからか、初めてチェロを弾いてみる方の多くがこのように弓を動かしてしまいます。

この弓使いの特徴は、

1. 音が出ていないときには弓が弦に圧力をかけていない

2. 音が出ている間、弓の圧力が減らず、常に弓を弦に押し付けながらこすり続けている 

ということです。

この方法で弾くとフワっとときれいな音がするのですが、これは初めて習う音の出し方としては間違いです。そして残念ながらチェロ経験者の中にも、いつもこの奏法で音を出している方がたくさんおられます。

ただし、この「飛行機型」の弓使いはチェロでは絶対に使わないのかというとそうではありません。

「弓を飛ばす」というテクニックではまさにこの弓の使い方をします。

弓を飛ばすというのは、アンサンブルで低音や中音パートを受け持つときに必ずと言っていいほど必要なテクニックです。

さて次にこちらは、「止まっているリニアモーターカーが走り出し、スピードが出てきたら地面から浮いて進み、最後にまたどっしり地面にその重みをかけた状態で止まっている」ところです。

リニアモーターカーが「弓」、灰色の地面(軌道)が「弦」だと思ってください。

この弓使いの特徴は、

1. 音が出る前からすでに弦に圧力がかかっている

2. 弓が弦をこすって音が立ち上がったら、弓の圧力が減りスピードが増し、弓が止まるとまた弦に圧力がかかる 

ということです。

四分音符を弾くことを初めて習う時には、こちらの弓の使い方をします。

ということで、今回はこの2つの弓使い(ボーイング)の違いを絵でざっと見ていただきました。次回はもう少し詳しくそれぞれの弓の使い方をご説明したいと思います。