はじめて習う四分音符【その3】飛行機型ボーイングとは?
今回は、「はじめて習う四分音符」の第3回です。(一回目はこちら>>)
前回は「飛行機」と「リニアモーターカー」の絵を使って「初心者の音の出し方には大きく2種類あります」とご紹介しました。こちら>>
では今回は「飛行機型」の方をもう少し詳しく見ていきましょう。
上の絵は、飛行機が滑走路に向かって高度を下げていき、滑走路をしばらく走った後にまた離陸していくようすです。飛行機が「弓」、滑走路が「弦」です。
この弾き方だと、タンギングがなく、立ち上がりがぼやけた音になってしまいます。このような音は、初心者の方が習うゆっくりで連続した四分音符には適しません。
飛行機型の特徴は、弓(飛行機)が弦(滑走路)に圧力をかける前に弓(飛行機)が動き出しているところです。たとえ音の始めと終わりで弓が弦から離れていない場合でも、弓が弦の上に軽く乗っているだけで圧力がかかっていません。そして、飛行機が滑走路を走っている間はずっと飛行機の重さが滑走路に伝わります。滑走路への加圧が終わるのは飛行機が浮いた時です。
飛行機型の特徴は、
1. 飛行機(弓)が滑走路(弦)を走っているとき以外は滑走路に圧力がかかっていません
音を出す前後で弓が弦を深くつかんでいません。つまり、音のはじめと終わりで弓と弦が接触していても、弓が弦の上に軽く乗っているだけで十分な圧力がかかっていません。
2. 飛行機が滑走路を走っている間はずっと飛行機の重さが滑走路に伝わります。滑走路への加圧が終わるのは飛行機が浮いた時です。
弓を動かし始めた直後から圧力をかけ続け、弓を浮かすことで加圧が止まります。
ではここで、もう一度飛行機の絵を見ながら弓の動きを見てみましょう。尚、この絵の飛行機の動きは、「奏者から見たダウン弓」が弦を震動させている様子です。
(説明文の番号は絵の中の番号に対応しています)
① 音を出す前に弓が弦から離れています。または、弓が弦の上に軽~く乗って止まっています(圧力はほとんどかかっていない)
② 弓が弦に対して斜め方向から近づいてきて、
③ 弓が弦にそおっと接触します。
④ 弓が弦に着いた後、弓が弦に圧力をかけていきます。弓が圧力をかけながら弦をこすることで弦が振動を始めます。
⑤ 決められた時間弓が弦をこすった後、
⑥ 弓は弦から斜め上方向に離れていきます。または、弓が弦の上に軽~く乗って止まります。
アップ弓ではこれの全く裏返しの動きをします。
どうでしょう。
初心者の方で、初めて四分音符を練習するときにこのように弓を動かしていた方、いらっしゃいませんでしたか。
この飛行機型ボーイングは実は、「弓を飛ばす」というもうちょっと後で習うテクニックです。いまはまだ封印しておいてくださいね。
次回は「リニアモーター型ボーイング」を取り上げます。