はじめて習う四分音符【その5】休符が書かれていないのに音が切れて聞こえてもいいんですか

2021年1月10日

四分音符の練習をしているときに、ふと、こんなことを思ったことはありませんか。

休符が書かれてないのに,こんなに音が切れててもいいのか」と。

だから音にアタマを付けること(管楽器で言うところのタンギングをつけること)の練習をやっぱりどこかでなんとなく疑問に思い、クッキリした音を出すことをためらっていませんか。

さて、皆さんが薄々気づいていらっしゃるように、「弓を切って」ダウン → アップ → ダウン → アップと一音一音、音をスッキリ立ち上げながら(管楽器奏法のタンギングをつけるように)弓の方向を変えて弾くと、次のイラストのように音が切れて聞こえます。

これは初心者の方がまだ弓の扱いに慣れていないからそうなるのではなくて、誰がやってもそうなるのです。つまり、ダウン→アップ・・と「弓の動く向きを入れ替えながら弾く奏法」というのはもともと、「音と音とがある程度切れて聞える・音の輪郭をハッキリさせるように弾くための奏法」なんです。

そしてこれが、チェロを習い始めたら一番初めに習う奏法というわけなんですね。

休符は書かれていないけれど、音と音との間に隙間があるように聞こえるのが正しいのです。

そして、この奏法を日本語で「弓を切って弾く」「弓を返して弾く」などといいます。

それでは、もっと音と音とを繋げたい、隣り合った音が切れて聞こえないように滑らかに弾きたいときはどうするかというと、それにはスラーという別の奏法があります。それが次のイラストです。 

これはたいていの教則本だと、「左指を使って弦を押さえる練習」の次に出てくる弓のテクニックです。弦楽器の「スラーで弾く」とは、弓を同じ方向に滑らかに動かしながらいくつかの音を連続して弾くことです。

同じことを日本語で「弓を切らないで弾く」「ひと弓で弾く」という表現もします。これだとスラーで繋がっている音と音との間に隙間・つなぎ目(休符)はできません。

ということで、「休符が書いてないのに、こんなに音が切れて聞えてもいいのか」ということに引っかかって練習が先に進まなかった方!そう!今は、「音と音とが切れて、くっきり聞える奏法の練習をしている」のですから、切れて聞えているのが正解です。それでいいんです。もうこれですっきりしていただけましたでしょうか。

初めて習う「四分音符」は。。。。。「スラー無し!」ですね。

これを練習するときは、音をくっきりすっきりアタマを付けて立ち上げ、芯と響きの両方がある音を、まるで音のブロックが並んでいるように、ひとつひとつ置いていくイメージで、堂々と弾いてください。