はじめて習う四分音符【その6】大きくても輪郭のない音 VS 小さくてもくっきりした音

2021年1月10日

今回は大きくても輪郭がないボワ~とした音より、小さくてもピリッとした輪郭のある音で弾いて下さいというお話です。

さて、チェロを始めたばかりの皆さん!チェロの練習って、まさに一難去ってまた一難。小さな小さな「できない → できた」の積み重ねですね。(だから大人には面白い!!)

そんな初心者の皆さんの中に、もっとしっかり大きな音で響かせたいと思って、ついつい弓を弦にグイっと押し付けて力任せにこすっている方はおられませんか。特に、「f(フォルテ)」なんて、楽譜に書いてあったら「とにかく大きい音を出すこと」に気を取られがちです。

ところで、大きな音とは、良く響く音です。音の芯と響きがしっかり感じられます。そして、音の立ち上がりがスッキリはっきりしていて音の輪郭がくっきりしています。

単なる音の量というより、「パワフルな」「広がりのある」「他を包み込むような暖かな」などといった「大きさ」を感じさせる音です。

大きな音を出したいときこそ、いままで取り上げてきましたすっきり立ち上がるくっきりした音で弾いてください。こちら>>

実際に器械で測った音量はそんなになくても、音の立ち上がりや音の輪郭がはっきりしていると音に大きさ・強さが感じられ、音は遠くまで飛んで行き、客席には大きな音・迫力ある音に聞こえます。

ボワ~とただ音量が大きいだけの、芯のない音はうるさく聞こえます。そして音に迫力が欠け、傍鳴りがして音は遠くにまで飛んでいきません。その結果、聴いている人の耳には頼りない・小さい音に聞こえてしまいます。

チェロを始めたばかりで、大きな音がまだ出ない方は、大きな音を出すことに気を配るより、今は小さくてもはっきりした輪郭のある「山椒は小粒でピリリと辛い」音を心がけてください。

手っ取り早く「腕力に任せて弓をこすりつけるだけ」といった癖は一度着くとなかなかとれません。手や腕にチカラがついてきて、体全体を使って音を出すことができるようになると、「小粒でピリリ」が「大粒でパンチのある」音になってきます。今は「小さくてもくっきりした音」で。