チューニングのときペグを回すと弦がすぐ切れてしまいます【その4】
大切な弦を、ブチッと切ってしまうあの瞬間!つらいです。
「ちょっと戻してから回すんですよね。そうしてます。弦もねじれないように気をつけて張りました。でも、ペグは止まらないし、回すと弦が切れるんです。」
という悲しいご質問が数人から寄せられました。
今回は「それでも弦が切れてしまう」へのさらなる対策です。
この、「弦が切れる」ということについては以前にもとりあげました。
チューニングのときペグを回すと弦がすぐ切れてしまいます【その1】
チューニングのときペグを回すと弦がすぐ切れてしまいます【その2】
チューニングのときペグを回すと弦がすぐ切れてしまいます【その3】
先日、「すぐ弦が切れる」「ペグが止まらない」という生徒さんが実際にご自分でペグを回しているところを見ていたのですが、そのとき気づいたことがあります。
1. ペグがしっかり握れていない
2. ペグを回しているときの「押し込み」が全然足りていない
3. 最初の動き出しで一度緩めるとき、「押し込みながら緩める」ができていない
4. ペグを動かすとき同時に、弦をはじいて音を出していない(目指す音程に近づいてきていることに気づかないので、どんどんペグを回してしまう)
5. 弦の音程が目指す音程に近づいてきている時、ペグの回し方が速すぎる
これらは弦が切れる原因になります。それでは、それぞれについて対策をご紹介しましょう。
対策
1. ペグがしっかり握れていない
ギターのペグみたいに指先でつまんだだけではチェロのペグは止まりません。がっちり、しっかり握ってください。
2. ペグを回しているときの「押し込み」が全然足りていない
あなたがもし女性なら、「全身の力を込めて」「ネックが折れるかもと思うぐらいの力で」ねじ込む感じで押し込みながら動かします。
チェロと向かい合ってペグを回すときは、あいているほうの手でネックか楽器の頭(ペグが刺さっている渦巻きのところ)をしっかり掴んで、両方の手を寄せるように力を入れます。
音程を確かめるためにペグを回しながら同時に弦をはじくときには、ネックを掴んでいる方の手の親指ではじきます。
座って回すときは、 両方の膝で楽器をがっちり挟み動かないようにします。
ペグを回してチューニングしているとき、ペグを途中で握りなおす時に、ペグから手を離したとたんにペグが戻ってしまうのは、回している時の押し込みが足りていないということです。
まだまだめざす音程よりも低い時でも、いつペグから手を離してもペグが止まっているようにしてください。
3. 最初の動き出しで一度緩めるとき、「押し込みながら緩める」ができていない
最初にペグをほんの少し緩めると動きやすくなるのですが、そのときも必ず「押し込みながら」緩めてください。
手を離しても ペグが止まっているように。
このときペグが緩んでいると、このあと巻き上げていったときにペグが止まりません。
4. ペグを動かすとき同時に、弦をはじいて音を出していない
ペグを回すことに必死で、今どんな音程になっているかが本人にはわかっていないようです。 何の音も出ていない楽器のペグを思いっきり回すのは危険です。
今合わそうとしている弦を、ペグを握っていないほうの手の親指で大きな音ではじくと余韻がしばらく残ります。この余韻が聞こえている状態でペグを回すと、余韻の音程も変わっていくのが聞こえます。
余韻を使って常に今どんな音程にまで上がってきているかに気を配ってください。
「とりあえずペグを回して、それから弦をはじいてみる」というやり方だと、たいてい切れてしまいます。
5. 弦の音程が目指す音程に近づいてきている時、ペグの回し方が速すぎる
めざす音程に近づいてきたら、ゆっくりゆっくり、弦をだましだまし伸ばしていくつもりでペグを回します。 張り始めはグイグイ回しても平気ですが、その調子で最後まで張っていくと。。。。切れます。
慣れないうちは目指す音程の4度ぐらい下、A線ならその弦がミの音程ぐらいにまで近づいてきたら、チューナーを使うか、自分の耳で、今どんな音程になってきているかを 確認しながら
いつも音がしているようにずっと弾き続けながら、余韻が聞こえているときにだけ少~しづつペグを回します。
しっかりねじ込みながら、「時計の針の5分ぶんぐらいの角度=30度」づつ回す感じ。
ゆっくり「だましだまし」です。
この時に手を離してペグが戻るようでは、ダメです。回している時の押し込みが足りていないということです。
これでもう 弦が切れなくなると いいのですが。。。
また思いついたら ブログにのせますね。