フラジオレットって何?
チューナーに頼らないチューニングには2種類あります。2本の弦を一緒に弾いてチューニングする方法と、フラジオレットを使ったチューニングです。
2本の弦を一緒に弾いて行うチューニングは弓の動かし方の基礎がまだ身についていない初心者の方には難しいので、まずはフラジオレットを使ったチューニングにチャレンジしてみましょう!
「フラジオレット」って聞いたことありますか。フラジオレットを弾くには写真のように左指を弦の上に置いているだけの状態で、弓ですぅっと弾きます。
どの弦でもいいので試しにどんな音がするのかやってみましょう。
右手は普通に弓を端から端まで全部使ってきれいなチューニング用の音を出します。左手はどれか1本の指で、弦の端から端まで、弦の表面をゆっくりなでるように滑らせてください。(秒速1~2cmぐらい)
左手のコツは、弦の振動を指先の皮膚で感じられるぐらいの圧力で触るということです。
弦の上を移動する指の位置によって、指先に「弦の振動を感じるところ」と「感じないところ」があるのがわかります。注意深く観察すると、弦の長さのちょうど1/2とか1/3のところで弦が振動していないのがわかります。
高校で物理をとった人は波のグラフを思い出してみてください。節のところは弦が振動しないんでしたよね。弦の上で何箇所か振動しないツボがあります。
そこを触っているときにだけ開放弦の音とはまったく違うピィ~っという笛のような音色で音がしませんか。これが「フラジオレット」です。
プロが舞台でこの音を使ってチューニングをしているのを見たことがありませんか。曲と曲の間に、チョコチョコッ と弓先でチューニングをしているのは、このフラジオレットを使っているんです。演奏の途中でどうしても調弦しなくてはいけなくなったときにこの方法を使います。
もし曲の途中で2本の弦を大きな音で調弦したら、演奏の場の緊張感がなくなってしまうでしょ。曲の途中ではできるだけすばやく、チューニングしたいですものね。