開放弦を使ったチューニング【その4】広すぎる5度と合ってる5度はこう違う

2021年5月2日

「合っている5度」と「合っていない5度」の違いに耳を慣らしていきましょう。

前回、A線の音程を少しずつ変えながら、右手できれいなチューニング用の音を出し続ける練習をしました。そして、音程の微妙な変化に耳を集中させる練習もしました。前回のおさらいはこちら>>

今回は、右手をヴァージョンアップして、ダブルで弾いてみましょう。  

左手は前回と同じ動きですから、ご安心を。

そして、今回のミッションはこれです。

左指をずらして音程を変えていきながら、「合っている5度」と「合っていない5度」の違いに耳を慣らしていきましょう。

 

<練習のしかた>  

1. A線の弦の一番上ぎりぎり端っこのところを写真のように、1の指で思いっきり押さえます。

前回とやりかたは同じです。 

押さえる指は、「指板の一番上の端っこにある、弦が乗っている台」と「弦」との両方にまたがって押さえるつもりでぎりぎり端っこを押さえます。

 指板に弦をつけることはできないとは思いますが、ぐいっと力を入れてください。

 

 2.左指は力いっぱい押さえたまま、右手できれいにチューニング用の音を出します。

 今回はA線とD線をダブルで弾きます。 

 

 3. 右手できれいな音をゆっくり出し続けながら、左指で今押さえているところを、少しずつ音程が高くなるようにずらしていきます。

前回とやり方は同じです。 押さえる力をいれたまま、指を駒の方向へずらしていきます。秒速1ミリメートルぐらいの速さです。2~3センチも動かせば十分です。

すると、だんだんA線の音程が高くなっていきますね。 

押さえている場所を何度も上げたり下げたりしながら、

 

4. A線とD線のダブルが作る5度音程 の響きの変化をしっかり聞き取ってください。 

 左手には力を入れるけれど、右手はいつもの脱力ですよ~

右手はD線とA線のダブルで弾きながらA線の音程だけを指で上げていくと、5度の響きの濁りがひどくなっていきます。 このことを「5度が広くなる」という表現を使うこともあります。

反対にそこからA線の音程をもとに戻していくと、5度の響きの濁りが少なくなっていきます。

「5度の響きがきたない」とはどんな状態か耳が聞き取れましたか。

 次にもういちどわざとA線の音程を高くしたとこからスタートします。「きたない5度の響き 」が徐々にきれいになっていくように、A線の音程を下げてきて、

 

5. 最後に、押さえている1の指を離してみましょう。 

A線とD線が「きれいに5度でハモった」状態に戻りました。すっきりした響きになりましたね。

 

6. 5度の音程をわざと濁らせたり、ハモらせたり を何度も繰り返して、「きれいに合った5度の響き」を耳で覚えてしまいましょう。