弓をまっすぐに動かす練習【その7】イメージトレーニングで弓先をまっすぐに動かす

2020年8月15日

今回は、「弓をまっすぐ動かす練習」の第7回です。(第1回はこちら>>

弓をまっすぐに動かす練習はイメージトレーニングでやるとうまくいきます。

1. 弓を動かし終わった時点での体(背中・肩・肘・腕・手首・指など全部分)の形を3D画像として覚えます。その時に感じる体の感覚も覚えます。

2. そのイメージを頭の中に残したまま体を出発点に戻します。

3. スタートしたら、弓を動かし終わった時点での体の形に合わせにいきます。途中の軌跡は気にしてはいけません。

 

では、 具体的な練習例をあげてみましょう。

全弓をまっすぐに動かす練習をするときは、「弓先」「弓の真ん中より少し先から真ん中」「弓元」の3つの区間に分けてそれぞれ別に練習します。

今回は、弓先を「ダウン弓」で真っすぐに動かす練習をしようとしている時を例にします。

1. まず初めに、弓を動かし終わった時点での格好をします。

ここでは弓先へ移動する動きを練習するので、弓の一番先を弦の上に正しく(まっすぐに)置きます。

2. その態勢での体のすべての関節、筋肉の様子をイメージとして覚えます。

「ここの関節がこれくらい曲がっている」とか「この筋肉がこれぐらいしんどい」という風に具体的に自分の体を観察します。

弓が弓先にいる時のあなたの体全体が、3Dパズルのように空間にはまり込んでいると思ってください。弓先を構えたあなたの体が、氷に閉じ込められているイメージです。

4. 弓をスタート位置(弓先から15cmくらい)まで戻します。その動きを自分の脳には悟られないように、頭の中では「弓先で弓を構えている私とその時の感覚」を強くイメージし続けてください。

頭では「私は今、弓先に居る」とイメージしながら、手だけそぉっとスタート地点に戻します。

腕を戻した後も、実際に腕がある所より右側の空間に、もう一つの腕の形とそこにある腕の関節の曲がりや筋肉の負荷をイメージし続けてください。

5. 出発点に置いた腕を、まるで3Dパズルのように、「腕の形をした穴」にスコ~ンとはめ込むように移動させます。

前もってイメージしてある空間にぴったりはまり込むように、まるで腕が自らその空間に吸い込まれていくように移動するイメージです。

この時大切なことは、力を入れて無理やり腕を動かすのではなく、動きに関係のある関節や筋肉を脱力してしまうことです。すると、「腕が勝手に移動する」イメージが分かりやすいと思います。

イメージ通りの関節の曲がりと筋肉の負荷を再現できたでしょうか。

途中の動きは全く無視してください。気にすると弓の軌道が不安定になります。

弓が真っすぐに動いたかどうかは気にする必要はありません。始点と終点の弓の位置が正しければ、弓は必ずまっすぐに動きます。

6. 全く同じ空間に腕が戻らなかったら、もう一度「弓先に居るという思い込み」の段階からやりなおします。

もっと強く「弓先に居る状態」をイメージします。そして、それをキープします。

弓先を「アップ弓」でまっすぐに弾く練習はこの応用です。

今回は「弓先」という1区間ができるようになったので、次回は「弓の真ん中あたり」と「弓先」の2つの区間を連結してみましょう。

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