弓をまっすぐ動かす練習【その6】弓の軌道ではなく到達地点を意識する
今回は、「弓をまっすぐ動かす練習」の第6回です。(第1回はこちら>>)
前回は弓の正しい動きのガイドとして「細い棒」を楽器に取付け、それに加えて鏡も置きました。
いかがでしたか。
鏡に映った弓の動きを目で追い、弾きながら修正するのはけっこう難しいですね。
もうすでにガイド棒を使って、常に棒に平行になるように弓を動かそうとしてみた方は気付いたと思いますが、弓の動き1mm、1mmを監視しながら動かす練習方法では、残念ながら「まっすぐ動かす動作」を体が覚えてくれません。
弓をまっすぐに動かす練習だけではなく、もうちょっと上手になったら習う「ポジション移動」や「難しいパッセージ」など、大きく複雑な動きを体に覚えこませる練習にはコツがあります。
ではどうすればいいのかというと。。。
三つの区間に分けて練習する
「弓の中ほどより少し先~弓の中ほど」「弓先」「弓元」と3つの区間に分けて各区間の特徴的な動きを先に覚えてしまいましょう。
全くの初心者のかたは初めからいきなり全弓の練習はしません。
各区間ごとに体の動きの特徴が違いますので、ラップの筒を使って体の動きを覚えた回のブログ記事をもう一度参考にしてください。
それぞれの区間での体の動きが理解できたら、そのことに気をつけながら、その区間だけをガイド棒と鏡を使って練習します。
動きの修正をする
1. 先ほどの各区間ごとに練習します。弓の動きを1mm、1mm目で監視せず、スタート地点に弓を正しい位置に準備したら「これだ」と思う方向に、その区間の終わりまで(自己流で)弓を動かします。
2. 動きの終点まできてから初めて、弓がどんな状態でどこに居るか、鏡やガイド棒を頼りに確認します。ぴったり思い通りに到着していたらOK。
3. もしずれていたら、そのずれが「どの方向」に「どれだけ」かを認識します。
4. 新しく修正された軌道のイメージでもういちどやり直します。弓の動きはやはり、1mm、1mm目で監視せず一気に弓を動かし、そのずれを認識します。これを繰り返して、少しずつ軌道を修正していきます。
全弓の練習
いきなり全弓の練習をするのは初心者にはハードルが高いものです。
1. それぞれの区間で「まっすぐに動かす」ができるようになってから、まず2つの区間を連続してみましょう。
この時も弓の動かし方は「自己流で」「一気に」そして、軌道修正は「ずれ幅をあとから認識」します。
2. そして最終的に、「全区間をまっすぐに動かす練習」につなげていきます。