楽器の入ったケースの置き方は?

2019年9月11日

先日、大阪北部を地震が襲いました。被災されました方々にお見舞い申し上げます。

私の住む和歌山にも近い将来大地震がくると予想されています。来てほしくはないけれど、来てしまったときに自分のかわいいチェロを守れるように、楽器の入ったケースの置き方には日ごろから気をつけてくださいね。

ハードケースに入ったチェロって、そのままでも絵になってカッコイイですよね。それに、立ててあると大きなケースもかさばりません。そこでつい、楽器をケースに入れた後、立てて部屋の隅に保管したくなりますが、これには要注意です!!

楽器の入ったケースは重いうえに、立てるととても不安定になります。地震でなくても、ちょっと誰かが触れてしまっても倒れることがあります。倒れると、最悪の場合、中の楽器が壊れます。「ハードケースに入っていても」です。

楽器の入ったケースは、

1. 上から何も降ってこない所で

2. もし今突然揺れてもこれ以上落ちていくことのない床の上に

3. 寝かせて置いてください。

できればお腹(駒)を上に。この状態なら上から何か降ってこない限り安全です。これが難しければ、横の持ち手を上にして横置きにします。これなら、揺れてもゴロンとなるだけです。

ただし、お腹を下にゴロンとなったときに楽器が(特に駒が)ケースにぶつからないように(駒とケースとの間の空間に余裕があるように)、楽器とケースの隙間を柔らかいクッション材で埋めておきましょう。

楽器の入ったケースを動かしたときに、中の楽器がケースに当たってゴトゴト言っていないか、普段から気をつけていてくださいね。私の楽器はかなり小ぶりなので普通のケースに入れると大きな隙間ができます。ですから、いろんなクッション材をあちこちに入れています。

とはいっても、「ケースに入った楽器をどうしても立てて置かなければならないとき」も出てきますね。リュック式に背中に楽器ケースを担いでいるときはいいですが、なかなかいつもそうとも限りませんね。

そんな時は、絶対に楽器と手をつないでいてくださいね。楽器ケースから一瞬たりとも手を放してはいけません。ケースの肩紐にあなたの腕を通しておくだけでもいいです。

次に、私がよく見るアブナイ例をいくつか挙げてみます。

1.  駅の切符の自動販売機の周り

駅の切符の自動販売機の周りには、慌てた人や周りに注意を払っていない人がいっぱいいます。そんな人にぶつかられたら「一人で立っているケース」はあっという間にバタンと倒れます。

ソフトケースならなおさらです。「ちょっと隅っこの壁にもたれかけさせておいて。。」はアブナイアブナイ。

2. 駐車場に停めた車に楽器を積み込むとき

駐車場に停めた車に楽器を積み込む際に、肩に担いできた楽器をそのままちょっとだけ立てて置いてその場を離れ、座席の用意などしたくなるかもしれません。でも、これも絶対にダメ。

屋外なら突風が吹くかもしれないし、自分がうっかりぶつかってしまうかもしれません。

3. 家の玄関

先生のお宅にレッスンに伺って帰るとき慌てることがありませんか? 例えば、「自分が早く靴を履いて外に出ないと、玄関がいっぱいで次の生徒さんが入れない」というとき。

ゆっくり落ち着いてやればいいのについ慌てます。

レッスン室から玄関までの廊下が狭かったりすると、玄関まではケースを立てて運んできます。そして、運んできた楽器を土間の縁にそのままひとりで立たせておいて、靴を履こうとして自分がしゃがみます。

そして、次に立ち上がった時に自分のカバンやおしりが立っている楽器ケースとぶつかるんです。私のレッスン場所の玄関はとくに狭いので、とってもアブナイ。

4. 混みあったところ・狭いところ

チェロケースってとにかく大きくて、外にもって出るとき、周りに遠慮しません?

狭い楽屋や通路や楽器庫などでは、他の人の迷惑にならないようについ楽器ケースを立てたくなりますよね。

でも、カラのケースなら立てて置いておいても大丈夫ですが、中に楽器が入っているときは、立てて置いたままで絶対にその場を離れてはいけません。

「すみません、大きくて」と断りながら、ケースは必ず横に置かせていただきましょう。 

最後に、ケースに入れた楽器を場所の関係でどうしても立たせたまま「保管」しなければならないときもあるかと思います。

そんな時は、楽器を頑丈な壁にしっかりと固定してください。地震で家具が倒れないようにするために、家具を壁に固定しますね。あれと同じです。

ただ楽器は家具と違って、そこから頻繁に動かしますので工夫は必要です。

保管場所の壁に紐を固定しておき、その紐で楽器ケースをしばっておくこともできるでしょう。また、簡単に脱着できる丈夫な留め具も便利です。

反対に言うと、楽器ケースを固定できないなら、立てて保管してはいけません。

あなたのかわいい楽器をぜひ地震や事故から守ってあげてくださいね。

次回も、楽器の保管についてお話しします。